WarpSend vs FTP ベンチマーク:小ファイル転送で約 40 倍の差
既存の測定では、256 個の小ファイルを送る WarpSend の処理全体の速度は FTP 基準値の約 40 倍でした。バッチ処理の効果と、200 MB/s を超えた大容量ファイル転送を解説します。
数百の小さなファイルを海外へ送るとき、データを送る時間以上に、ファイル間の待ち時間が影響することがあります。記録済みの 1 MiB のファイル 256 個の測定では、WarpSend の処理全体の平均速度の中央値が FTP 基準値の約 40 倍でした。この差を理解する鍵は、各ファイルの送信前後に必要な処理にあります。
多数の素材を含むプロジェクトフォルダーは、WarpSend のバッチ処理が特に効果を発揮する用途です。一方、大容量の単一ファイルでも、その後の米国からドイツへの転送で平均 200 MB/s を超える完了記録があります。
256 個の小ファイルで約 40 倍の差
小ファイルの比較では、ランダムに生成したテストファイルを含む合計 256 MiB のフォルダーをドイツから米国へ転送しました。往復遅延は約 143 ms で、両端とも 2 vCPU、約 4 GB メモリーの Linode サーバーです。FTP 基準値は curl と vsftpd によるパッシブモードのアップロードで、BBR と拡大した TCP バッファーを使用しています。
| ツール | 各回の処理全体の平均速度(MiB/s) | 中央値 | 相対速度 |
|---|---|---|---|
| FTP 基準値 | 0.61 / 0.61 | 0.61 MiB/s | 1 倍 |
| WarpSend Tunnel | 25.6 / 23.4 / 24.6 | 24.6 MiB/s | 約 40 倍 |
WarpSend の 3 回の結果は FTP 基準値の約 38~42 倍で、中央値の比は 24.6 / 0.61 = 40.3 です。送信コマンド全体の所要時間から計算しているため、フォルダーの準備と完了処理も結果に含まれます。
測定記録は、2026 年 7 月 10 日の FTP 基準値と、同じ経路での 7 月 11 日の WarpSend 開発版の結果を比較しています。FTP は暗号化なし、WarpSend は暗号化を含むエンドポイント転送です。約 40 倍という差は、このファイル構成と設定での結果です。
小ファイルで大きな差が生まれる理由
カメラ素材、プロジェクトファイル、サムネイル、メタデータを含むフォルダーでは、転送ツールは各ファイルを検出して処理しなければなりません。回線に余裕があっても、ファイル間の短い待ち時間が積み重なることがあります。そのため、フォルダーの総容量だけでは納品にかかる時間を見積もれません。
RFC 959 に定義される FTP は、制御接続とデータ接続を分けて使います。ファイルごとにデータ接続を開くクライアントでは、フォルダーの転送中に接続準備と完了確認が繰り返されます。国際間の経路では、そのやり取りの往復時間が次のファイルを送るまでの待ち時間につながります。接続の扱い方や同時転送数によって、待ち時間をどこまで重ねられるかが変わります。
WarpSend はバッチ処理とファイル処理工程の並行実行によって、こうした空き時間を減らします。先行するデータを送っている間に後続のファイルを準備することで、転送を進めやすくします。そのため、プロジェクトの納品時間を考える際には総容量に加えてファイル数とディレクトリ構造も重要です。単一ファイルの速度だけでは、フォルダー全体の挙動までは分かりません。
仕組みについては、小ファイルの転送が遅くなる理由と FTP が長距離で遅くなる理由も参照してください。
大容量ファイルでも 200 MB/s 超を記録
以下の 3 件は、US-ContentServer から DE-ContentServer への Tunnel 転送です。いずれも large-2048mb.bin の転送が完了しており、ファイルサイズは 2.15 GB と表示されています。
| 2026 年 9 月 6 日の開始時刻(UTC+8) | 転送時間 | 平均転送速度 |
|---|---|---|
| 19:42:38 | 10 秒 | 222.98 MB/s |
| 20:30:04 | 11 秒 | 201.24 MB/s |
| 20:35:22 | 11 秒 | 201.49 MB/s |
数値は WarpSend の転送履歴に基づきます。速度は十進単位の MB/s、所要時間はアプリケーションに表示された丸め値です。この 3 件は当時の経路での結果であり、別の経路では利用可能な帯域幅、端末の性能、ストレージによって速度が変わります。
この表はアプリケーションが記録した大容量ファイルの転送区間の速度です。先の小ファイル表はコマンド全体の平均速度であり、ファイル構成、日付、方向も異なります。それぞれの表は、対応する用途の結果として読んでください。
プロジェクトの引き渡しに生かす
単一の大容量ファイルの速度だけでは、納品の全体像は見えません。カメラの付随ファイル、サムネイル、プロジェクト素材などが増えると、繰り返しの準備処理が待ち時間の大きな部分を占めることがあります。小ファイルの測定結果は、その繰り返しを減らす重要性を示しています。回線に帯域幅があっても、フォルダーを連続して送れるとは限りません。
大きな完成動画については、200 MB/s を超える記録が米国からドイツへの経路での WarpSend の持続的な転送速度を示しています。フォルダーについては、バッチ処理とファイル処理工程の並行実行がデータ間の空き時間を減らします。メディアと制作プロジェクトを一緒に渡す仕事では、両方が役立ちます。
WarpDirect は、WarpSend を導入したデバイス間でファイルを転送します。対応するデスクトップ環境と NAS を利用でき、両端に WarpSend をインストールした後、送信元ファイルと受信デバイスを選びます。経路ごとのネットワークやストレージの制約は、長距離転送ガイドで説明しています。